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AKB選抜総選挙解析を国際会議で発表 [大ヒットの方程式]

7月初めに秋葉原である感性工学の国際会議 ICBAKE2013で、私の発表と共同研究者である川畑さんの発表とが、現時点でのプログラムでは、いずれも7月6日の午後後半ということがわかりました。
以下がその発表タイトルと著者です。

(A3-2) Akira Ishii, Sho Ota, Hidehiko Koguchi and Koki Uchiyama;
Quantitative analysis of social popularity for Japanese pop girl group AKB48 using mathematical model for hit phenomena

(B4-3) Kawahata Yasuko, Genda Etsuo and Ishii Akira;
RevePrediction of Music Concerts Using the Mathematical Model of Hit Phenomena

この国際会議は自由参加とはいきませんが、聴くだけの学生さんの参加費は安いみたいです。

私としては、ヒット現象の数理モデルの話を6月下旬にアイスランドとポルトガルの2つの国際会議で発表した直後ではありますが、こちらはAKB選抜総選挙の解析に絞った発表なので、それなりに準備します。投稿済みの論文は昨年のAKB選抜総選挙の解析ですが、当然この口頭発表の時は今年のAKB選抜総選挙についての分析も発表します。

感性工学の国際会議 ICBAKE2013 7月5−7日 秋葉原
http://www.sd.tmu.ac.jp/ICBAKE2013/index.html

AKB総選挙:ツィート数について [ソーシャルメディア]

ツィート数からAKB選抜総選挙の終盤情勢を見ると、渡辺麻友がトップで次が柏木由紀という結果が毎日新聞デジタルに出ています。それは同じ事をこちらも調べてるので知ってました。

http://mantan-web.jp/2013/06/06/20130606dog00m200041000c.html

しかし、これは違う。

大島優子をツィートでなんと言ってるか、考えるとわかります。
フルネームで書く人もいるけど、特にTwitterだと短く書きたいので「大島」とか「優子」とか
書くことが多いでしょう。
仮に、検索に「大島」「優子」も含めると、図のようになります。
つまり、大島優子がまゆゆに倍近い差を付けます。

もちろん、この中には他の「大島」「優子」も入ってるので
正確には全てが大島優子についてのツィートではないです。
とはいえ、かなりの部分が大島優子について。

このへん、曖昧なので、みんな調べてもツィート数については
コメントしていないんですよ。

大島指原渡辺6月6日Twitter.jpg

AKB総選挙:終盤情勢 [ソーシャルメディア]

AKB選抜総選挙の開票が6月8日。投票はその前に締め切られますから、もう既に終盤になってますね。新聞やネットの予測・予想を見ても、選挙戦前の予想と違い、速報で1位になった指原莉乃の票読みが話題になってます。あの2万票という、渡辺麻友・大島優子という昨年1位2位に2倍の差を付けたのは、ソーシャルメディアへの書込数を測定して分析する限りでは、非常に不自然です。指原ファンががんばって初日に投票を集中させただけなのではないかという疑いを持ってます。

ただ、それはさておいて、ソーシャルメディアへの書込数を見ても、指原さんがいい勝負を展開しているのは事実です。数理モデルの分析はおいておいて(というか、これは院生の担当なので、彼を無視して私がやるわけにはいかないんです)、ソーシャルメディアへの書込数の推移を、昨日までの分でご紹介しましょう。

図を見ると、やはり大島優子(青)が終始、一番上に来てますが、でも速報値発表後1週間くらいは指原さんの話題が多いことがわかります。しかし、ここ数日、また、大島優子さんが逆転して首位に立っていることもわかります。毎日新聞さんの世論調査でも大島1位指原2位でしたし、実際のところは僅差で大島優子優位なのでは、と思います。

渡辺麻友については、事前の予想では浮動票・アンチ大島優子票を取り込んで、大島優子との首位争いと思ってましたが、このソーシャルメディアへの書込数で見る限り、そのような流れは指原さんの方へ行っているようで、渡辺麻友の書込数はずっと大島・指原の下にあることがわかります。とはいえ、他の3人・篠田麻里子、島崎遥香、柏木由紀よりも上なので、3位の可能性がかなりあることがわかります。ただ、速報値発表時からの書込数の減少が非常に速いのが、ちょっと気になります。4位の可能性もありそうです。

篠田麻里子は、去年もソーシャルメディアへの書込数は、人気の割には少なめで、今年のこのデータでも、実際はもう少し上です。3・4位争いに加わるくらい、と考えて下さい。

柏木由紀は、あきらかに渡辺麻友より下で、差がついたなという感じです。昨年の選挙では僅差の2位3位だったんですが、今回はあきらかに渡辺麻友よりも書込数は下です。ただ、彼女も篠田麻里子とちょっと似ていて、人気の割に書込数は下がり目なので、実際はもう少し上、4位争いに絡んでもおかしくない位置だと思って下さい。

島崎遥香は、こうして他の上位5人と比較して、特に速報値発表以後の書込数の推移が遜色ない点から、かなりの上位、つまり10位以内確実、5位くらいまで可能性としてありか、という印象を受けます。数理モデルでの解析では、指原莉乃と並んで島崎遥香が浮動票の獲得の割合が大きそうなんです。

さて、ソーシャルメディアへの書込数からの分析だとこんな感じです。
当たるといいですけどねぇ。苦笑

AKB総選挙終盤情勢.jpg
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書評「舟を編む」 三浦しをん [書評]

三浦しをんさんの「舟を編む」を読みました。この本は2012年度の本屋大賞第1位に輝いた本で、映画も作られてこの4月に封切られました。なので、今さら私がこの本の紹介をする、などというわけではなく、単に読後の感想です。現在国際会議でドイツに出張中で、時間もあるので、既に3日間で2回読みました。それだけ面白い小説です。

映画の方は松田龍平・宮崎あおい主演で4月に封切られてますが、残念ながらまだ見れてません。(だって、鳥取には来ないんだもん) いずれ、映画の方もぜひ観たいと思ってます。

この本は「大渡海」という架空の日本語辞書を編集する人たちの物語です。この大渡海という名前は、大槻文彦の「言海」などからの連想でしょう。この「言海」は日本最初の国語辞典とも言うべき辞書で、この物語の中にも何回も出てきます。

物語は、新たな国語辞典「大渡海」を編集している編集主任の人がもうすぐ定年退社というあたりから始まります。自分の跡継ぎにと探した馬締さん(まじめと読む)がこの物語を通しての主人公です。物語は大きく2つに別れていて、この馬締さんが辞書編集部に入って来て、仕事に慣れるまでと、その役10年後、いよいよ「大渡海」完成間近の時期とが描かれてます。後半の部分だけ、新たに辞書編集部に廻された岸辺みどりが狂言回しとして登場します。

読後感としては、何かを作るのに夢中になる人たちへの作者の温かい目が感じられて、非常に爽快になる本ですね。私自身は物理学者ですが、理系の研究の世界もまったく同じです。やはり大学院博士後期課程の頃とか、その直後のポスドクの頃とか、自分が手がけている研究テーマだけを夢中になって考える時期でしたね。みんなそうでしたし、今のD院生・ポスドクの人たちも、分野を問わずにそうだと思います。私は会社に勤務したことが無いので、会社ではわかりませんが、この本のように1つのことを任されて、地道に、しかし確実に仕上げていって評価されたという経験を持つ幸運な人も、少なくないのではと思います。あるいは、そうあって欲しいという作者の願いも入っているのかもしれません。

職人気質というか、1つの事に熱中し、とにかく自分が納得いくまで入念に仕上げていく・・・  今の日本人がどこか忘れてしまったものを、この本は教えてくれているような気がします。

作者の三浦しをんさん自身、とても辞書が好きなのでしょう。国語辞書への愛情に溢れている感じです。そして、同性愛者のようなマイナーな存在にも温かい目を注ぐ作者の視点が印象的です。

情報科学の世界で最近注目されている分野に「自然言語処理」という分野があります。これは自然言語、例えば日本語を機械的に処理しようという研究で、その意味では理系なんですが、でも、日本語とその用例という文系的なセンスも無いと勤まらない分野だと思います。そんな、理系と文系の挾間にいる自然言語処理系の研究者・開発者・学生の方々などにも、ぜひ読んで欲しい本ですね。きっと、共感できる部分があると思います。


舟を編む

舟を編む

  • 作者: 三浦 しをん
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2011/09/17
  • メディア: 単行本



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AKB総選挙:毎日新聞世論調査とヒット現象の数理モデルによる予測との比較 [ソーシャルメディア]

昨日の毎日新聞に、なんとAKB選抜総選挙の世論調査が載りました。
http://mainichi.jp/mantan/news/20130531dyo00m200054000c.html

この結果は非常に興味深いです。なぜなら、先日、朝日新聞の記事に載った、ブログの観測とヒット現象の数理モデルを駆使したウチの研究室の予測と似てるから。
http://www.asahi.com/area/tottori/articles/MTW1305303200001.html

まず、毎日新聞の世論調査による上位の順位を引用します。
1位 大島優子 AKB48チームK (3位)
2位 指原莉乃 HKT48チームH 兼 HKT48劇場支配人 (1位)
3位 篠田麻里子 AKB48チームA (15位)
4位 渡辺麻友 AKB48チームA (2位)
5位 小嶋陽菜 AKB48チームB (20位)
6位 島崎遥香 AKB48チームB (7位)
7位 柏木由紀 AKB48チームB (5位)
8位 板野友美 AKB48チームK (14位)
8位 高橋みなみ AKB48チームA (18位)
10位 山本彩 NMB48チームN (13位)
11位 横山由依 AKB48チームA (9位)
11位 峯岸みなみ AKB48研究生 (26位)
13位 松井玲奈 SKE48チームE (6位)
14位 川栄李奈 AKB48チームA (33位)
15位 松井珠理奈 SKE48チームS兼AKB48チームK (4位)
15位 宮澤佐江 SNH48兼AKB48チームK (12位)
15位 梅田彩佳 AKB48チームB (22位)

まず気づくのが1位と2位。地力を発揮して大島優子が首位に立つこと自体は、何も数理モデルなど使わずとも誰でも予測できることですが、2位を指原莉乃としているところが驚きます。我々の研究室でも、基礎票は大島の半分以下ではあるが、ヒット現象の数理モデルで最近の指原莉乃に関するブログ書込数の分析による、直接コミュニケーションの係数の圧倒的な強さから、浮動票を大きく集めることが予想され、その勢いの無い渡辺麻友に代わって指原莉乃が大島優子の次ぎと研究室では予測しました。

予測はしたものの、かなり大胆な予測なので、ほんとかいなという思いはどこかにあったのですが、毎日新聞の世論調査と一致するので、ヒット現象の数理モデルによる我々の予測もなかなかいけるなと思えました。

島崎遥香が6位(速報では7位)、川栄李奈が14位(速報では33位)という毎日新聞世論調査の結果は、我々が、基礎票の伸びとコミュニケーション係数が強いことから浮動票の取り込みを期待できるという点で、二人とも速報の順位より上げるはずという、これまたかなり大胆な予測だったんですが、これも裏付けてくれました。

篠田麻里子が3位、小嶋陽菜が5位というのは我々の予測よりも上になってます。彼女たちの基礎票を重視すればそうなるのですが、浮動票の取り込みが弱いので、ここまでの順位になるかどうか、特に小嶋陽菜はちょっと微妙です。コミュニケーション係数と、速報時からの書込数の減衰の遅さという2つの点で好評価の板野友美が、もっと上に来る気がします。私の予想ですけど。

速報時からの書込数の減衰が速い点と、コミュニケーション係数に特に見るべき強さが無い点で、渡辺麻友の苦戦をヒット現象の数理モデルからは予測しましたが、毎日新聞世論調査でも渡辺麻友は4位と苦戦という評価が裏付けられた格好です。もし私が渡辺麻友陣営の選挙参謀なら、アンチ大島票をごっそり取り込んで、基礎票の少なさを補って、大島優子を僅差で逆転という戦略を立てたと思いますが、速報で意表をついて指原陣営が大量票を初日に集めることに成功したので、イメージとしてアンチ大島の浮動票は渡辺麻友より指原莉乃に行く流れになってしまいました。これが渡辺陣営の誤算でしょう。とはいえ、篠田麻里子より下位に来るかどうかは、非常に微妙で僅差の票差になりそうです。

前回も書きましたが、ファンが露出や報道に左右されてブログに書き込むことの無い柏木由紀は、ヒット現象の数理モデルからは非常に読みにくいです。前回より上がる要素があまりないので、こんなものかなぁという印象です。ただ、速報時からの書込数の減衰では大島優子に次いでゆっくりした減衰なので、4位くらいに上げてくるかもしれません。

こんな風に、今回の毎日新聞の世論調査結果は、非常にヒット現象の数理モデルによる予測と酷似した、つまり我々の(部分的にかなり大胆だった)予測を裏付けてくれるかっこうになりました。

さて、本番はどうなんでしょうね。気になります。
タグ:AKB
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AKB総選挙:朝日新聞に載っちゃった [ソーシャルメディア]

ブログを書いて(それをTwitterで告知して)翌日に、朝日の記者から電話がありました。
もっとも、その日は私は不在で、秘書さんが代わりに電話を受けたのですが
その後すぐに私に伝言をしてくれたので、朝日の記者さんとはすぐ話ができました。

お互いの都合をすりあわせて5月28日火曜の夕方に朝日新聞の記者さんに来てもらいました。
昨年、英国の物理学雑誌に私のヒット現象の数理モデルの論文が載った時に取材してくれた
記者さんと同じ記者さんで、しかも彼は理系院卒なので、初歩的な説明抜きで話が進みました。

取材には、AKB総選挙も調べている院生の太田君と、同じヒット現象の数理モデルの研究をしている
同期の院生の谷村君にも同席してもらいました。先日ここのブログに載せたのは私自身の調査ですが
28日に朝日の記者さんに新たに見せたのは、太田君がデータを取り、しかも数理モデルによる
分析までした結果です。なので、私はでしゃばらず、なるべく太田君から記者さんに説明してもらいました。

私と太田君とで最近話しているのは、選挙の分析には固定票と浮動票の2つが必要だということです。
例えば国政選挙で浮動票をまったくつかめない人でも、組織をバックにした固定票が大量にあると
楽々と当選してしまいます。乱暴に言えばAKB選抜総選挙も同じ事です。
AKBの場合は、国政選挙と違って、農協や労働組合がどれかのメンバーを押す組織になるわけでは
ないですが、ホットリンクさんのクチコミ係長というサービスでブログ投稿数を調べていくと
それぞれのメンバーがTV露出や報道なので話題になった時にブログの書き込み数が増えることが
すぐにわかります。それと同時に、なんの露出も報道も無いのに、ある程度の書込数が毎日ある
こともわかります。私たちは、露出や報道と無関係に一定数必ず書かれる数を「基礎票」と
仮に呼ぶことにしました。

ヒット現象の数理モデルは、基本的には浮動票の予測しかしません。
なので、まずはクチコミ係長というサービスで日々のブログ書込数を丹念に測定し
そこから、基礎票の部分を除いたデータを作ります。
それについて、ヒット現象の数理モデルで予測計算し、その計算結果に基礎票を足して
ブログ書込数の実測値と比較するという作業をしていくことになるわけです。

今回のAKB選抜総選挙では、指原莉乃が予想外に一位候補だった大島優子・渡辺麻友の2倍もの票を速報ではじき出し、大きな話題になりましたが、そこも、上記のような作業で分析していったわけです。

今回の太田君の作業は速報が出た日までの20日間のデータについて数理モデルで分析しました。
つまり、意外にも1位は指原、という結果がでる以前のデータなのです。
ここは1つのポイントで、数理モデルでの分析には「1位指原」は含まれてません。

数理モデルによる解析と別に、もう一つやったのが、前回の総選挙でも行った、
速報の出た日(正確にはその翌日)のブログ書込数のピーク以降、どれだけゆっくりと
書込数が減少していくかという分析です。

掻い摘まんでご紹介しますと、まず基礎票についてですが、基礎票の数の1位は大島優子さんです。
2位3位は渡辺麻友と柏木由紀。この2人の基礎票はほぼ同じくらい(わずかに柏木由紀が多い)ですが、実は板野友美もこの2人の9割くらいの基礎票です。このあたりが、板野友美が今年は良さそうと
予想する要因です。

話題の指原莉乃さんの基礎票は、渡辺・柏木の半分くらいで、島崎遥香(ぱるる)の方が基礎票では上です。篠田麻里子や高橋みなみの基礎票も島崎遥香よりかなり上。当然ながら指原莉乃よりも上です。

ちなみに、太田君が分析した5月22日までの20日間で、特に後半で島崎遥香と川栄李奈は、測定データからは基礎票自体がどんどん伸びていく感じに見えます。これは昨年上位の古参メンバーには見られない点です。もちろん、この二人は以下に述べる浮動票の獲得にもいい感じなので、このあたりが、島崎遥香と川栄李奈が上位に行きそうと予測する根拠です。

次ぎに浮動票の分析です。こちらは、ヒット現象の数理モデルを使わないといけません。このモデルでは大きく次の3つの係数を出します
(1)TV露出や報道が直接、書込数に与える影響
(2)直接コミュニケーション(いろいろと話題になると大きくなる係数です)
(3)間接コミュニケーション(もっぱらの噂として広まると大きくなる係数です)
指原莉乃は、(1)について他の主要メンバーと同様に強く、特に(2)の直接コミュニケーションが抜群に強いんです。このあたりが、太田君が浮動票を大きく集めるのでは無いかと予測した根拠です。
ちなみに、大島優子は、これらの係数は特にすごい数値ではないです。大島さんの強みは、浮動票を集めることではなく、基礎票の多さなんです。

実際のところ、基礎票での差と浮動票での差は出せますが、基礎票と浮動票の割合はどれだけかは、わからないところです。そこが100%確信を持って予測できないところです。

つまり、基礎票の多さで大島優子が勝つか、それとも、それを上回る浮動票を誰かが集めて逆転するのか。大雑把にはそんな感じです。指原莉乃は基礎票は大島の半分以下ですが、直接コミュニケーションの数字がいいので、浮動票を大きく集める可能性があります。昨年2位の渡辺麻友は基礎票では大島に劣り、浮動票の集め方では指原に大きく劣る。ということで、分析結果を見る限り、大島にも指原にも勝てないとなるのですが、基礎票は大島より劣るとは言え、渡辺の基礎票は指原の2倍ありますので、
この2人の勝敗は読みにくいところです。

もっと読みにくいのが柏木由紀。去年もそうでした。昨年も最終結果の票数の割に、柏木由紀に関する書込が少ないんです。それと柏木由紀の書込は露出や報道にほとんど左右されません。柏木由紀ファンはネットに書かないのか、と言いたいくらいです。彼女はファンとの直接交流を大事にするといいますから、政治選挙でいう「どぶ板選挙」ということでしょうか。ネットの情報から判断しにくい人です。

最後に、速報値が発表された直後の、書込数の減少です。これは直接コミュニケーションや間接コミュニケーションの値とも関係する部分で、減少がゆっくりであればあるほど、人気があることになります。つまり、いろいろと話題が尽きないから、書込数の落ち込みが少なくなるわけです。
ちなみに、この書込数の減少の測定は速報値発表後ですから、指原莉乃1位の情報は含まれてます。

書込数の減少で昨年は大島優子が抜群にゆっくりでした。実は今年も、落ち込みが並外れてゆっくりなのが大島優子です。その意味でも大島1位と予測したくなります。

次ぎに減少が遅いのが問題です。突然の1位で話題になった指原莉乃ではないんです。
ある意味、意外だと思いますが、柏木由紀と板野友美です。
この3人に次ぐ遅い減衰が、川栄李奈と島崎遥香です。2人はほぼ同じ減衰です。
指原莉乃の減衰は案外速いです。
さらに減衰が速いのが、渡辺麻友。あの首位候補がと、ちょっとびっくりです。
この速い減衰が、大島を上回る可能性を渡辺麻友ではなく指原莉乃と
朝日新聞の取材の中で言った根拠です。
私のというより、太田君の根拠です。私も賛成してますが。

以上が、だいたい、朝日新聞の記者さんに話した情報です。
記者さんは、これらの情報を元に、あの記事を書いたということです。

朝日新聞の記事はこちらです。
http://www.asahi.com/area/tottori/articles/MTW1305303200001.html

AKB総選挙:波乱の序盤情勢分析 その2 [ソーシャルメディア]

前回書いたAKB総選挙、序盤の情勢分析ですが、口コミデータを取得して提供してくださるホットリンク社代表の内山さんにFacebookでコメントされた、クチコミデータの累積数を集計してみました。

クチコミデータは、それぞれのメンバーについて書かれた書込数の累積数と、書込数の時系列的な推移と、どちらも重要です。その両方を併せて分析できるのがヒット現象の数理モデルなのですが、前回の記事では時系列的な推移をグラフでご報告しました。今回は、その時に用いたクチコミ書込数の累積数を出してみました。

まず、復習として5月22日に報告された初日21日の投票総数からの順位(速報順位)は以下のとおりです。(日刊スポーツより)

 1位 指原莉乃(HKT48・H) 2万8563票
 2位 渡辺麻友(AKB48・A) 1万4885票
 3位 大島優子(AKB48・K) 1万4000票
 4位 松井珠理奈(SKE48・S/AKB48・K) 1万3656票
 5位 柏木由紀(AKB48・B) 1万2887票
 6位 松井玲奈(SKE48・E) 1万2177票
 7位 島崎遥香(AKB48・B) 1万1832票

これに対して、3月15日〜5月22日の累積書込数は、主要メンバーについて以下のとおりです。

大島優子 89642
渡辺麻友 75579
指原莉乃 69863
柏木由紀 56080
島崎遥香 55811

これを見る限り、前回総選挙より差は詰まっているものの、やはり大島優子がトップで渡辺麻友がそれに次ぎ、指原莉乃は2位の渡辺麻友ともやや差があることがわかります。世間的な印象でもこんなものでしょう。これは2ヶ月以上の期間の累積なので、ファンが組織的にあるイベントなどについて書込数を底上げしようと「組織票」を入れたとしても、それで大幅に数が変わるとは思えない数値です。

また、今回の累積数のデータからも、柏木由紀がトップグループから引き離されていることと、ぱるる・島崎遥香が伸びていることは感じ取れます。

速報値が出た以降、23日から6月8日までのクチコミ書込数の分析もこれからやっていきますが、「意外にもトップ」というニュースの影響で指原莉乃の書込数が多くなる可能性があります。その意味では、最終順位を占うのにいいデータは、今回の22日の速報値発表までの書込数と考えられるので、今回の累積数はいろいろ参考になるかもしれません。
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AKB総選挙:波乱(?)の序盤情勢分析 [ソーシャルメディア]

AKB選抜総選挙の季節になりました。昨日の夜に発表された速報によると、かなり意外な、予想外な、波乱の展開とも言える順位になってます。報道によると以下のとおりです。(以下は日刊スポーツの引用です)
http://www.nikkansports.com/entertainment/akb48/news/f-et-tp0-20130522-1131222.html
 1位 指原莉乃(HKT48・H) 2万8563票
 2位 渡辺麻友(AKB48・A) 1万4885票
 3位 大島優子(AKB48・K) 1万4000票
 4位 松井珠理奈(SKE48・S/AKB48・K) 1万3656票
 5位 柏木由紀(AKB48・B) 1万2887票
 6位 松井玲奈(SKE48・E) 1万2177票
 7位 島崎遥香(AKB48・B) 1万1832票

やっぱり、びっくりするのは指原莉乃の首位。しかも票数が2位の倍。渡辺麻友と大島優子がある程度接戦となるのは予想どおりで、二人の票差も少ないですが、この二人(つまり前年度の1位と2位)をダブルスコアで引き離して、本当に指原が最後まで首位になるのか?誰もが気になるところでしょう。

そこで、ホットリンクさんの「クチコミ係長」を使って、ちょっと調べてみました。上位の6人(松井玲奈さんでなく、成長株と言われる島崎遥香さんを入れてますが)その結果が、この図です。これは3月15日(総選挙実施発表の数日前)〜5月22日(速報発表日)の日毎のブログ書込数です。さしこ、まゆゆ、ぱるるなどの名前も検索クエリーに入れてます。

これを見ると、はっきり言えることは、指原莉乃の圧倒的なリードは無い、ということですね。ブログ投稿数が必ずしも総選挙の票数に比例するわけでなないので、この読みは難しいんですが、でも、2位以下をダブルスコアで圧倒するなら、この単純な投稿数でもそれは現れるはずです。例えば昨年の大島優子さんがそうで、2位以下を大きく引き離している投稿数でした。

今回は、大島優子さんはそこまで圧倒的ではなく、渡辺麻友さんがいい勝負をしていると言えますね。指原莉乃さんもかなりの投稿数ですが、少なくとも3月後半以降の投稿数の推移を見る限り、大島優子・渡辺麻友を大きく引き離しているというよりは、この2人に次ぐ3位の位置、という感じの投稿数です。なので、初日の票だけを数える速報値でのこの指原さんのダントツの票数は、彼女のファンが最初にドッと票を入れた結果かな、と推定します。

柏木由紀さん、島崎遥香さんも上位3人に絡むくらいの投稿数で、特に島崎遥香さんはここ1週間くらいの伸びが非常にいいことがわかります。松井珠理奈さんはちょっと以外ですが、彼女は昨年のデータでもブログ投稿数は低めで、恐らく彼女自身がまだ16歳のため、彼女のファン層がブログを書かない若年層が中心という可能性はあります。なので、はっきり言えますが、このデータで松井珠理奈さんの票はまったく読めません。

AKB総選挙序盤情勢c.jpg
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大河ドラマ『八重の桜』:山本覚馬という人

大河ドラマ『八重の桜』の第2回目が放送されましたね。

今のところ、八重というより八重の兄の山本覚馬がメインに動いてますが、
この山本覚馬という人、会津藩士の中では他藩に知られた有名な人だったようです。
ドラマにもあるように勝海舟や佐久間象山とも知り合いでしたし、
おそらくはそれらの人を通じて、他藩のいろんな人との交流があったのでしょう。
最新式の銃やそれによる戦法にも通じていたようです。

ドラマでは、むしろそうした才能があって先を見る目のある山本覚馬なる人物を
保守的な会津藩がまったく評価せず、用いようとしなかったところが
会津の敗因になっている、というあたりを描いて欲しいですね。

この幕末の動乱の頃、有能な下士階級の人が藩政に口を出し、重要な役目を任せられる
ことは、他藩ではだんだんと起こっています。
幕府では勝海舟がそうした下士から重く用いられるようになる代表ですね。
大鳥圭介や近藤勇も、そうした部類に入るかもしれません。
薩摩藩では西郷吉之助、大久保一蔵がその代表ですし、
長州藩でも伊藤俊輔や大村益次郎が藩政で重要な役目を任されるようになっていきます。
(桂小五郎、高杉晋作、井上聞多らは長州藩の上士階級)

山本覚馬は後に負傷して薩長側に捕らえられた時、西郷等と顔見知りということもあり
待遇は悪くなくて、いろいろ意見も出来たようです。
その時に「管見」という意見書を書き、それが近代日本の今後の運営を論じる意見で
薩摩側でもそれを読んで、会津にこんな人物がいたのかと驚いたと言われています。
そんな、西郷・大久保も一目置くような山本覚馬が、故郷の会津ではまったく評価されず
藩政でなんの役割も出来なかったというあたりを、
ドラマではうまく描いて欲しいな、と思います。

『八重の桜』にちなんだ会津戦争についての本2冊 [書評]

今年のNHK大河ドラマは会津藩士の家に生まれた女性の一代を描く『八重の桜』(主演:綾瀬はるか)ですね。それに関連した本を2冊、最近読んだので紹介しておきます。

紹介するのは星亮一氏の書いた本2冊で『会津落城』『八重と会津落城』です。内容は相補的で、2冊続けて読んでも重複はあまりないと言っていいと思います。私は『八重と会津落城』を先に読んで後から引用されていた『会津落城』を書店で探して買ったのですが、これから買って読むなら『会津落城』を先に読んだ方がいいと思います。

『会津落城』は会津攻防戦を中心とした戊辰戦争全体を描いた本で、会津若松城攻防戦に限らず、大鳥圭介の率いる旧幕歩兵隊の北関東の戦いや奥羽越列藩同盟の結成、白河口の戦い、北越戦役など、戊辰戦争全体を著者なりに丁寧に描いており、大河ドラマ「八重の桜」の時代背景を知るのにちょうどいい好著と言えると思います。長岡藩を中心とする北越戦役が新潟港という奥羽越列藩同盟軍唯一の海外との貿易港確保の戦いとみると、戊辰戦争の全体を左右する戦いだったという指摘は非常に新鮮でした。

『八重と会津落城』は、実のところ同じ著者が前著の『会津落城』で書けなかった、あるいは書きたかったけどページ数の関係で落とした内容を中心に再編集した著書のような内容です。特にタイトルと違って前半には八重はまったく出て来ない。強いて言えば八重の実の兄である山本覚馬(大河ドラマでは西島秀俊)についての言及は多いと言えます。山本覚馬という人物は当時の最新式の洋式銃陣に詳しく、会津藩が鳥羽伏見から戊辰戦争に至る過程で極めて重要な人物であり、この人物、つまり八重の兄について知ることは、この後の展開を知る上で助けになります。ちなみに、会津藩が薩長との戦争で装備が旧式で遅れを取った理由も、山本覚馬が鳥羽伏見の戦い後に行方不明(実は負傷)になったことが大きいと思います。

大河ドラマの主人公であり、この本の題名にドーンと出ている八重(綾瀬はるか)は後半の会津若松城攻防戦のあたりに集中的に出てきます。ただ、面白いのは前作の『会津落城』では八重が最新式の7連発スペンサー銃を手に攻防戦に参加した事と、23日に土佐藩兵が大損害を受けた攻防戦とを別々に書いているが、『八重と会津落城』では板垣退助(大河ドラマでは加藤雅也)率いる土佐藩の迅衝隊を相手に北出丸・西出丸で激しい銃撃戦を展開し、土佐藩指揮官を次々に狙撃して大損害を与えたのは八重の狙撃であると明記されている。これはつまり、『会津落城』執筆後に著者が知った事実ということなのであろう。

また、もう一つ、この2冊の違いは、奥羽越列藩同盟の結成のきっかけとなった世良修蔵惨殺事件の記述である。この事件、八重となんら関係が無いにもかかわらず、『八重と会津落城』に極めて詳しい記述がある一方、『会津落城』では1行で済ませていて具体的な事実関係に詳しく踏み込んでいない。こういう事を見ても、『会津落城』執筆後、書き切れなかった事に八重の事を付け加えて、大河ドラマ人気を当て込んで新たに書いたのが『八重と会津落城』であろうと推察できる。

なお、会津敗戦の原因として著者が挙げるのは、いくつかある
・旧式装備(山本覚馬による新式銃購入は間に合わなかった)
・白河の敗戦
・北越戦線崩壊による新潟港の喪失
・家老西郷頼母の起用(著者は西郷頼母は邪魔な存在と言っている)
・会津各部隊の連携不十分
・会津藩の民政での失敗(による住民の官軍への協力)

上記については、紹介した2冊の本を読んでいただくとして、これら以外に私が考える会津側、そして奥羽越列藩同盟軍の敗戦の原因は、攻勢を重視したことにあると考える。戦国時代の兵法から言えば相手を攻めるのは勝つための常套手段であるが、実は幕末当時は歩兵の持つ銃の性能が格段によくなった時代で、歩兵が攻めるよりも陣地を築いてそこから攻めてくる相手の兵を狙撃した方が有利な、防御が有利な時代なのである。同時代のアメリカ南北戦争でも山場のゲティスバーグの戦いでは兵力的に劣勢な北軍が籠もる防御陣地を南軍が無理に攻め、大損害を出したのが敗北の原因となっている。
 奥羽越列藩同盟軍は白河口の戦いでは、装備が旧式な分、守りを固めるべきなところ、攻撃に拘って防御の甘さを突かれ、戦線を崩壊させている。また、会津の攻防戦でも攻撃に拘る余りに官軍が母成峠を突破した際にも次の攻勢に備える余り、近くの会津軍各部隊はその背後を突いていない。堅固な陣に籠もっての防御戦に徹していれば官軍に大出血を強い、あるいは有利な講和も可能だったかもしれない。
 
 ご紹介した2冊は、大河ドラマ『八重の桜』をより楽しむためには、格好の本と言えると思います。
会津落城―戊辰戦争最大の悲劇 (中公新書)

会津落城―戊辰戦争最大の悲劇 (中公新書)

  • 作者: 星 亮一
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2003/12
  • メディア: 新書



八重と会津落城 (PHP新書)

八重と会津落城 (PHP新書)

  • 作者: 星 亮一
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2012/12/16
  • メディア: 新書



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