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2018年 年頭の誓い [ソーシャルメディア]

2018年 年頭の誓い

誓いというか、まぁ研究をこう進めたいなという計画です。

・新しい数理モデルの提案と適用
昨年秋、4年生が2人、それぞれ新しい数理モデルを考案してきました。1つは将来性はあるものの、具体的な計算がこれからなので、この1年の発展が楽しみ。もう1つは既に実用段階まで来ていて、インターネットのデータを用いた具体的な計算も少しずつストックされてきていて、充分に使えるものです。まずはこれを論文にして、かつ、国際会議で発表したいなぁと。その4年生が院生になって、発表してくれるかも、です。

・某企業との共同研究プロジェクト
現在、某社2社とそれぞれ共同研究が進んでまして、まだ中身は書けませんが、これは進めたいです。そのうち1件はウチの工学部の社会システム土木の研究室とも共同で進めるかも、です。(ちなみん、2件とも、将来はともかく2017年の段階ではお金にはなってないです)

・著書執筆
昨年から依頼されている著書執筆があります。昨年から始めた大学院の講義「計算社会科学」の講義ノートを兼ねて前半は既に執筆していますが、後半はこれから。この春までの原稿完成を目指してます。

・学会運営など
私の本来の所属というべき物理学会の運営は何もしていませんが(物理学会は巨大な組織で、しかも運営は公平・公開なので、私なんかがやる役割は無いのです)、計算社会科学研究会の主査、そしてComplex Systems Societyの委員としての役割はあります。あと、IEEE BigData2018で計算社会科学のワークショップ、やるのかなぁ。この件はまだ未定ですが。

・研究室運営
来年はM2がいなくて(M2になる学生は1年間の仏道修行)M1が2人、4年が4人。そして社会人博士後期院生が3人です。新M1はだいたい研究の方向が決まってますが、新4年は4人ともこれから。さぁ、どんな研究が生まれるかな。
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ブログ再開

すいません、いつの間にか放置状態になってましたが、年明けを機会にブログを再開します。
とは言え、のんびりと時々書きます。
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ローマ・フィウミチーノ空港で間一髪!

いやぁ、ローマ・フィウミチーノ空港で大変でした。

社会シミュレーション国際会議でローマに約一週間滞在しての帰りの話です。
アリタリア航空でフィウミチーノ空港から出発ということで、空港に早めに行きました。

手荷物チェックを終え、出国手続きを済ませて、軽い食事もして、もうする搭乗ということで、ゲートG13のところで、かみさんに「これからローマ空港を出発。明日帰国です」とのんきなメールをした後に、とんでもない悲劇(になりかねない事)が襲いかかりました。

私がポケットに入れていた、家や研究室・学科事務室・学科セミナー室のカギの束が無い! 思い当たるのは、手荷物チェック。そこで時計や財布と一緒に、カギの束も取り出してかごに入れてX線検査。そのあと、カギの束を回収しなかったに違いない!

でも、もうすぐ搭乗です。アリタリア航空は搭乗時間を長く取っていて、15時20分出発のフライトの搭乗開始時間は14時15分。で、カギの束が無い事に気づいたのは、14時10分過ぎで、G13もゲート前。時間が無いけど、とりあえずゲートにいるアリタリア航空の関係者のイタリア美人たちに事情を告げた。いろいろやりとりがあった末、30分だけ待つから、手荷物検査場まで行ってこいと。その時点でもう14時25分。つまり、15時前に戻って来いということですね。

で、大慌てで戻りましたが、そもそもゲートG13と手荷物検査や出国検査の場所とは、無人の列車で連絡で、建物が離れてます。「こちらから入れません」の標識を無視して連絡列車に乗ると(本来、乗るには到着フロアから行かないといけない)、メインの建物に。しかし、流れは海外から到着した客と同じになってしまうので、本来は入国審査が必要。しかし、その時点で、残り時間15分。丁寧に入国審査と出国審査をやりなおすヒマは無い。で、入国審査横の警察の部屋に行って事情を話します。

責任者の警察官の人は、正規のルートでやるように促すけど、どう考えても時間が無い。「残り15分でG13に戻らないといけない」と言うと、もう1人の美人の警察官が、超法規的処置をと(イタリア語で)アドバイスしてくれて、トップの警察官も折れ、パスポートをそこの警察に預ける代わりに入国審査をせずに通してくれて、手荷物検査場まで走っていきました。

手荷物検査場でも、係の男性と美女の2人が話を聞いてくれて、急いでいることも伝わったみたいで、忘れ物のボックスを探してくれて、あった〜〜〜!!! さぁ、残り時間は10分。ありがとう、と言い残して、あとは走る走る。フィウミチーノ空港はそんなに大きく無いですが、それでもかなり距離があります。走って、まずは警察の部屋により、うまくカギの束を回収できたと笑顔で美人警察官の人に報告し、パスポートを返してもらいます。それから、ゲートGに行く無人列車まで走っていって、滑り込みで間に合い、それを降りてからも全速力で走って、なんとか15時直前にゲートG13に滑り込み。ゲートのイタリア美女のアリタリア航空関係者の人達も、よかったと安心してました。搭乗して席に着いてから、しばらくは汗だくだくでしたね。

いやぁ、ぎりぎりで冷や汗でしたが、カギの束が回収できてよかったぁ。我ながら、土壇場に強い人間なのではと思ってしまいました。
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乃至政彦「戦国の陣形」 [書評]

乃至政彦「戦国の陣形」講談社現代新書

この本は戦国時代の合戦で用いられたとする陣形についての本である。古代律令制の軍団の陣形から始まって、源平合戦や南北朝・室町前期の合戦時の戦闘部隊の状況、そして武田・上杉を嚆矢とする戦国時代後期の陣形の解説と進んでいく。全体としてみると、鶴翼だの魚鱗だのという陣形は虚像であり、実際に本当の意味で陣形というのが出来上がってくるのは武田・上杉の合戦の頃、ということという内容である。

陣形と言っても、諸葛孔明八陣法と言われるような鶴翼、魚鱗、偃月、鋒矢という陣形は八陣法の誤解からの伝言遊びのような誤解が数百年の間に成長し、江戸時代の軍学書に定着した虚構であるとする。実は三国志演義(元代〜明朝初期に成立)にも魚鱗、鳥雲の陣などは出てくるので(官渡の戦いよりも前の袁紹と曹操の戦いで、袁紹は魚鱗、曹操は鳥雲の陣と書かれている)、日本だけの虚構ではなく、中国大陸との影響のやりとりはあると思う。そのあたり、本書でも触れられているけど、ちょっと不十分であるとは言える。

ちなみに、本書によれば、本来の諸葛公明八陣法は3×3の9マスの中央に主将が在陣し、その前後左右斜めに8つの部隊が配列している陣。それを八種類の陣形と誤解して、勝手に8種類列挙していった室町・江戸期の軍学書が、陣形の誤解をいっぱい生んできた要因としている。これは面白い見方であり、私もそうなのかと納得した。

南北朝以降の室町時代の合戦でも、武田・上杉が陣形に画期的な提案をする前は、陣形と言っても「鶴翼と言ったらサッと拡がり、魚鱗と言ったらグッと密集」という程度の知識の武将らによる陣形なので、実際に本人達の記録で鶴翼や魚鱗が出てきても、精緻な陣形を指しているのではない、というのが乃至氏の主張である。もう少し裏を取りたいところだけど、これも説得力がある主張である。

さて、甲陽軍鑑を頼りにすると、いわゆる陣形というのを本格的に導入したのは武田信玄であり、それは山本勘助の助言による。例えば1万の軍勢を千人ずつの部隊に分け、それぞれを家老並みの部将に率いさせて、「全軍を鶴翼の陣形とする。まず左翼は品川、大崎、目黒、恵比寿の各部隊、右翼には澁谷、原宿、代々木、新宿の各部隊が並び、中央に大久保と余が率いる本隊が位置し・・・」などという指示をするには、その戦国大名の傘下の各封建領主が率いてきた部隊を千人ずつの軍団に再編成する必要がある。南北朝や応仁の乱の頃までは、各リーダーは助勢に来てくれた各領主の部隊をそのまま戦闘に投入するのが精一杯で、軍団としてきちんと編成することは、したくても出来ない状況だった。それが、関東での北条、武田、上杉という強力な大名の衝突が繰り返される状況で、各領主が連れてきた部隊を軍団として再編成し、さらに兵科別に編成するという近代的な軍隊の様相を呈するに至る。このあたりは、西股総生「戦国の軍隊」(学研)で既に述べられていて、北条氏を中心とする記録から北条氏では兵種別編成が戦国時代後期には一般的になっていることが説得力ある説明をされている。

この武田による近代的な軍団編成に対し、衝撃的な勝利を収めたのが上田原の戦い(天文17年)で武田軍を撃破した村上義清である。甲陽軍鑑によれば村上義清は強力な武田軍相手に弓勢・鉄砲勢・騎馬・徒歩勢の3兵種の分割し、まず弓、次に鉄砲の一斉射撃、そして騎馬隊の突撃とそれに続く徒歩兵の部隊の攻撃で武田軍が誇る陣形(軍団ごとで編成した陣形という当時新しいもの)を完膚無きまでに撃破しているのである。これを、村上義清が後年武田に追われて越後に助けを求めてきたとき、上杉謙信(当時の長尾景虎)によって代替的に上杉軍に採用されたとする。有名な第4次川中島合戦で信玄本隊を撃破して典厩信繁を始め多くの部将を失った武田軍の敗北(実質的には敗北である。信玄はこの合戦の感状を一通も発行していない)は、兵種別編成(弓勢、鉄砲勢、槍勢(歩兵隊)、騎馬勢)を徹底させた上杉軍によるものであった、ということである。ちなみに著名な車掛かりとは陣形ではなく、各兵種の軍勢の繰り引きのことであるとする。これも納得できる。

本書ではこのあと、実際の合戦における陣形について、これまでの説と本書の主張による説を比較して説明する。川中島、三方原、関ヶ原である。数ある合戦からこの3つをピックアップした意味は、今ひとつわからないが、まぁいいとしよう。川中島については上杉による車掛かりが繰り引きであって陣形ではなく、謙信による機動的な兵の運用に、信玄の、諸葛公明八陣のような信玄本隊を中心にした八陣が敗れたとする。このあたりは説得力があり、納得できる。

次が三方原である。参謀本部編「日本戦史」にある陣形を掲げ、さらに「武家事紀」に掲げる陣形を掲げ、いずれも実際とは違うとしながら(これは納得)それ以上突っ込んでいない。ただ、三方原については、高柳光壽『三方原之戦』という三方原合戦では金字塔のような研究書があり、ここに掲げた陣形が俎上に挙げられていない点は不満である。高柳氏は「甲陽軍鑑」「松平記」「信長公記」「武家大成記」「服部半蔵武功記」「三河物語」などを基に、陣形図ではなく、それぞれの資料に記されている合戦経過での戦いの時系列から整理して両軍の陣形を推定しようとしている。

まず、徳川側の陣形であるが、これは「甲陽軍鑑」に記されている上原能登守(小山田信茂家臣)の「徳川勢は一重で厚み無し」という報告から、一重の横隊であると推定する。少し前の姉川合戦での徳川方の陣形も参考にすると、徳川勢は酒井忠次麾下と石川教正麾下の2つの軍団に別れ、さらに三方原の場合は佐久間信盛・平手汎秀などの織田からの援兵と家康旗本の第一線での戦闘が見られることから、3軍団に別れ、その3つを横に並べた上にその後ろに家康本隊があるとする。武田との戦闘の時系列から見ても妥当と思える。

徳川側がほぼ横一線であるとすれば、これと武田のどの部隊がどんな順番で戦うかを記録から追えば、ほぼ武田方の陣形が推定できるというのが高柳氏の思考である。上に掲げた複数の記録からは以下のように戦闘の時系列が整理できる。
  1.武田方の小山田隊が徳川方の酒井勢、石川勢と戦闘
  2.武田方の山県隊と徳川方の石川勢、家康旗本が衝突。
  3.武田方の小山田・山県両部隊がやや引いたところに、武田方の馬場隊が戦線に加わり、酒井勢と衝突
  4.武田勝頼隊が家康旗本・石川勢と衝突し、武田方有利に
  5.武田方の内藤隊が戦線に参加(内藤隊所属の小荷駄隊の甘利らが小荷駄を置いて戦闘に参加)
  6.信玄本隊と穴山隊は動かず
以上から高柳氏が推測した陣形を、私なりに書いたのが、図1である。
武田方の各部隊が3000とすれば、6隊で18000。これに信玄本隊を加えて25000くらいというところか。徳川勢は織田の援軍を併せても1万強と推定されるから、最初の小山田隊・山県隊の6000では徳川勢の総攻撃を支えきれずに引くのは理解できるし、馬場隊の加入で拮抗し、武田勝頼隊・内藤隊の戦闘参加で徳川軍総崩れというのは、数だけで考えて理解できる。以上が高柳光壽「三方原之戦」を基にした三方原の戦いの陣形で、この本は昭和31年に出版されているので、せめて引用して議論はして欲しかった。

そして、関ヶ原である。よく使われる参謀本部編「日本戦史」の関ヶ原の陣形がキレイすぎて、ちょっと信用できないというのは私も納得である。ただ、明治の頃に陸軍を指導したメッケル少佐が陣形を見て「西軍の勝ち」と言ったのは、この両軍陣形図の作成の日時とメッケル少佐の在日の日付から言ってあり得ないというのは、あまり言われていないことで、なるほどと思った。

ただ、本書では筆者は西軍は大垣城からの退却の途中で東軍と裏切った(というか最初から東軍の)小早川秀秋に補足されたのが関ヶ原の戦いとしているが、これはどうだろう。確かにその可能性もあるが、別の可能性もあると考える。関ヶ原の戦いの前日までに関ヶ原南側の松尾山砦に小早川勢が、南宮山に毛利勢・長宗我部勢がすでに布陣している。石田三成ら西軍本隊が笹尾山〜天満山のラインに布陣して、小早川勢、毛利勢と合わせれば、関ヶ原に布陣するであろう東軍を包囲できることはすぐにわかる。西軍圧倒的に有利な陣形である。この西軍有利な陣形を作り出せば、機を見るに敏な戦国武将なら、東軍っぽい小早川勢も旗幟不鮮明な毛利勢も、これは西軍側で勝てるとみて、「裏切って」西軍につくのではないかと期待した陣形なのではないかと私は推察する。西軍に付けば家康を撃滅できる有利な陣形に持って行ったのに、小早川・毛利(正確には吉川広家)の気が変わらなかったので、ダメだったかぁ、というのが関ヶ原の西軍陣形の理由なのではないかと思うのですが、どんなもんでしょう。

本書ではさらに、大阪冬の陣・夏の陣にも一章を割いて陣形や戦闘における鉄砲の割合の多さなどで、通説と違う説を展開し、なかなか説得力ある説明になっている。ここも面白い。

さて、長くなったけど、本書「戦国の陣形」についての感想は以上である。最後に、本書には書かれてないけど、これまでいろいろ言われてきた陣形の中で、斜めに配置する斜行陣(雁行陣)について一言。これは戦闘についてはどうのこうのという議論があるけれど、この斜行陣はそういう陣では無く、相手の出方を見る様子見の陣なのではないか。図2に示したように、斜行陣にしておくと、縦隊にも横隊にも、V字陣形にも逆V字陣形にも簡単に展開できるのである。なので、どの陣形で戦うか、相手の出方をみて決めるという場合に、この斜行陣が使われると私は考えている。なので、川中島での武田信玄本隊も、この斜行陣で待ち受けて、上杉勢の出方で展開する予定が、朝霧の中、いきなり上杉勢に突っ込まれて、この斜行陣のままで戦わざるを得なくなったのかな、という推測も、ちょっとしています。

ともかく、戦国時代の合戦を考える場合、本書と西股総生「戦国の軍隊」の2書は是非、読まれるといいと思います。

戦国の陣形 (講談社現代新書)

戦国の陣形 (講談社現代新書)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/01/19
  • メディア: Kindle版




戦国の軍隊―現代軍事学から見た戦国大名の軍勢

戦国の軍隊―現代軍事学から見た戦国大名の軍勢

  • 作者: 西股 総生
  • 出版社/メーカー: 学研パブリッシング
  • 発売日: 2012/03
  • メディア: 単行本





戦国の軍隊 現代軍事学から見た戦国大名の軍勢

戦国の軍隊 現代軍事学から見た戦国大名の軍勢

  • 出版社/メーカー: 学研プラス
  • 発売日: 2012/03/19
  • メディア: Kindle版



陣形・図1a.jpg陣形・図2c.jpg
タグ:戦国時代
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青色発光材料での赤崎・天野・中村3氏のノーベル物理学賞の近くの分野で、私も研究してました

今回のノーベル物理学賞を記念して、私が絡んだ窒化物結晶成長(ノーベル賞の受賞理由の隣接分野ですね)や、それと似た青色発光材料として期待されている酸化亜鉛(ZnO)の成長に関する第一原理計算の論文をまとめてみました。こうして見ると、かなり書いてますねぇ。でも窒化物だけをやっている実験研究室に比べると、すごく少ないです。

最初の論文が2002年なので、2000年くらいから窒化ガリウムの研究を始めたことになります。


A.Ishii, D.Miyake and T.Aisaka; First-Principle Calculation of the epitaxial growth of GaN(0001), Jpn.J.Appl.Phys. 41 (2002) L842-L845

A.Ishii; First Principles Study for Molecular Beam Epitaxial Growth of GaN(0001), Appl.Surf.Sci. 216 (2003) 437

A.Ishii, S.Koyama and T.Aisaka; First-Principle Calculation of the dynamics of nitrogen on the SiC(0001) surface during the epitaxial growth of GaN(0001) , Jpn.J.Appl.Phys. 42 (2003) 4636

J.Ohta, H.Fujioka, M.Oshima, K.Fujiwara and A.Ishii; Experimental and theoretical study on the structural properties of GaN grown on c-plane sapphire , Appl.Phys.Lett. 83, 3075 (2003).

A.Ishii and T.Aisaka; First-principles Calculation of the epitaxial growth of GaN(0001) ,phys.stat.sol. (c) 0 (2003) 2490

K.Fujiwara, A.Ishii, J.Ohta, H.Fujioka and M.Oshima; Experimental and theoretical investigation on the structural properties of InN grown on sapphire ,Thin Solid Films 464-465 (2004) 112-115

K.Fujiwara, A.Ishii, T.Abe and K.Ando; Epitaxial growth of ZnO crystal on the Si-terminated 6H-SiC(0001) surface using the first-principles calculation , eJSSNT 4 (2006) 254-257

K. Fujiwara, A. Ishii, T. Ebisuzaki, T. Abe, and K. Ando; First-Principles Calculation for the Polarity During ZnO Crystals Grown on the C-Terminated 6H-SiC(000-1) Surface , Japanese Journal of Applied Physics Vol.45 No.6A 2006, pp4926-4928

A. Kobayashi, Y. Kawaguchi, J. Ohta, H. Fujioka, K. Fujiwara, and A. Ishii; Polarity control of GaN grown on ZnO (000-1) surfaces , Appl. Phys. Lett. 88, 181907 (2006)

K. Fujiwara, A. Ishii, T. Ebisuzaki, T. Abe, and K. Ando; Theoretical investigation on the structural properties of ZnO grown on sapphire ,e-Journal of Surface Science and Nanotechnology, Vol. 4 (2006) No. 0 pp.544-547

K.Fujiwara, A.Ishii, T.Abe and K.Ando; Epitaxial growth of ZnO crystal on the C-terminated 6H-SiC(000-1) surface using the first-principles calculation , JJAP 45 (2006) 4926-4928

K Fujiwara, A Ishii, T Ebisuzaki, T Abe K Ando; Polarity Control of ZnO on N-Terminated GaN(000-1) Surfaces , Japanese Journal of Applied Physics Vol. 45, No. 11, 2006, pp. 8578-8580

A.Ishii, Y.Oda and K.Fujiwara; DFT study for the anisotropic epitaxial growth of a-face ZnO(1120) , phys.stat.sol. (c)5, No.9(2008) 2726-2728

A.Ishii, T.Tatani, H.Asano and K.Nakada; Computational study for growth of GaN on graphite as 3D growth on 2D material , phys.stat.sol. (c) 7 347-350 (2010)

M.Yokoyama, A.Ishii and S.Tsukamoto; DFT calculation for Palladium Supported on S-terminated GaN as Green Chemical Catalyst , e-Journal SSNT Vol. 8 (2010) No. 0 pp.377-380

M.Yokoyama, S.Tsukamoto and A.Ishii; Density Functional Theory for Green Chemical Catalyst Supported on S-terminated GaN(0001) , phys.stat.sol. C8 (2011) 438-440

A.Ishii, T.Tatani and K.Nakada; Density Functional Calculation for growth of GaN on graphite as 3D growth on 2D material , phys.stat.sol. (c)8 (2011) 1585-1588

M.Yokoyama, M.Murayama, T.Tsukamoto and A. Ishii; DFT calculation for Green Chemical Catalyst with hydroxyl group supported on S-Terminated GaN(0001) , physica status solidi (c) 8 (2011) 1594-1596 doi: 10.1002/pssc.201100003

Atsushi Kobayashi, Tsuyoshi Ohnishi , Mikk Lippmaa , Yasuhiro Oda, Akira Ishii , Jitsuo Ohta , Masaharu Oshima , Hiroshi Fujioka; Polarity replication across m-plane GaN/ZnO interfaces, Appl.Phys. 99 (2011) 181910

K.Fujiwara, A.Ishii, T.Abe and K.Ando; Growth Mechanisms of ZnO(0001) Using the First-Principles Calculation, Appl.Phys. 112 (2012) 064301 - 064301-4

Y.Oda, A.Ishii and K.Fujiwara; DFT Study for Growth of m-Plane GaN/ZnO Interface, e-Journal of Surface Science and NanoTechnology 10 (2012) 221-225

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青色発光材料での赤崎・天野・中村3氏のノーベル物理学賞受賞を祝して

 今回の赤崎さん、天野さん、中村さんのノーベル物理学賞受賞、おめでとうございます。
 
 私は物性理論で主に第一原理計算という計算物理の手法で研究してきましたが、一時期青色発光材料である窒化ガリウムの結晶成長の計算をしましたので、今回の3人の受賞の仕事とはちょっとだけ縁がありました。
 
 私が鳥取大に着任したのは1988年で、教養部物理学教室でしたが、当時工学部に小林洋志教授・田中省作助教授がおられて、ZnSeなどでの青色発光材料開発をしてました。一緒に研究しないかと誘われたこともあって、青色発光材料は興味を持ち始めてました。1993年に中村修二さんが青色発光ダイオード開発に成功した直後、応用物理学会でその話を聞いた記憶があります。当時の主流だったZnSeなどに比べて窒化ガリウムは明るいこと、不純物に鈍感なことで、実用上有利という話を聞いた憶えがあります。
 
 もともと、それまでの名古屋大の赤崎・天野グループの窒化ガリウムの研究があっての成果なのですが、ただ、実用化に当たっての困難を一気に解決したブレークスルーと思えました。
 
 私はそのあとで、窒化ガリウムのエピタキシャル成長による結晶成長のメカニズムの解明の第一原理計算でいくつか論文の書きましたが、実用上主流となった中村さんのMOCVDは計算で扱えなかったということもあって、赤崎・天野グループや中村グループとそう接触があったわけではなかったです。ただ、赤崎先生にはどこかの会議で一度、ポスターで話を聞いてもらった憶えがあります。(中村さんはほとんど会議に来ないし、来ても自分の発表だけで、他の人の話をあまり聞かない印象でした)。
 
 ともかく、世界中の多くの人が無理と思う中で窒化ガリウムで青色発光を実現させたのは、受賞の3人の偉業です。BluRayディスクも窒化ガリウムの青色発光レーザーを使ってますが、規格を制定したときはまだ窒化ガリウム材料の量産化のメドがたってなくて、傍目にも大丈夫かなと心配したんですが、なんとか間に合いましたね。
 
 ちなみに、特許庁のWebで検索すると、成立までいってないですが、私が窒化ガリウムの成長について出した特許の公開情報があるはずです。
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【書評】 第一次世界大戦 [書評]

第一次世界大戦 木村 靖二著 ちくま書房

1914年から1918年まで戦われた第一次世界大戦は、日本がほとんど参加しなかった事もあって、日本ではその詳細はあまり知られていない。実際には日本は連合国の一員としてドイツ・オーストリア・トルコなどと戦っていて、中国山東半島の青島にあったドイツ領を占領したのを初め、海軍は艦隊を地中海に派遣しているし、陸軍にも欧州方面への出兵要請があった(日本政府は断った)くらいで、決して圏外だったわけではないのだが、国を挙げて戦った日清日露や満州事変・日中戦争・第二次世界大戦と比べると、日本人の意識からは遠い存在と言えるのが第一次世界大戦であろう。

ただ、ヨーロッパの国境線で見ると、第一次世界大戦の前後で大きく変わっていて、少なくとも国境線だけで言えば、第一次世界大戦後と第二次世界大戦後とでは大きな変化はない。つまり、ドイツ帝国・オーストリア帝国・ロシア帝国という3つの巨大な帝国が消滅し、その3帝国の周辺領土あたりに小国がいくつも独立していったのが第一次世界大戦後の世界であり、それが現在に及んでいるという意味では、ヨーロッパではむしろ第一次世界大戦の方が大きな戦いであったという印象なのだろうと思う。

本書は、そうした、今まで日本人には馴染みがなかった第一次世界大戦を新書でコンパクトに詳述した本であり、ヨーロッパについていろいろと考える機会のある人には、ぜひ一読をとオススメしたい本である。ヨーロッパ人は当然ながらどの人でも本書の内容くらいは熟知しており(日本で言えば幕末の歴史くらいの認知度?)、特に歴史を必要とする人でなくてもヨーロッパ人と交際する機会がある人なら、読んでいて損は無いと思う。

本書を読んで思うのは、第一次世界大戦というのは、塹壕に籠もって地味に戦った戦争という印象だが,実際には両軍しのぎを削って戦っている。戦線もそれなりに動いている。ただ、この時代は攻めるよりも陣地に籠もって守る方が有利な時代で、攻勢に出た方が必ず負けるという焦れったい状況が4年間続いている。その意味で、攻めに攻めた方が勝つという印象の第二次世界大戦とは戦況の動きが大きく違う。

軍事技術史で言えば、19世紀後半からエポックメーキングな戦いがいくつかある。私の印象で列挙してみると(本書にこう書いてるわけではない)
・アメリカ南北戦争
・普仏戦争
・ボーア戦争
・日露戦争
・第一次世界大戦
日本の幕末の動乱は軍事技術としてはアメリカ南北戦争にほぼ続いた時期に相当する。この南北戦争で、砲兵隊の集中利用と、射撃間隔が短い元込銃を利用した陣地で守る方が優勢であるという戦訓が確立した。ゲティスバーグでは騎兵隊を中心に攻めまくった南軍が北軍の陣地を破れずに敗退しているし、幕末の鳥羽伏見の戦いでも同様で、優勢な砲兵隊を中心とした薩摩軍陣地を、幕府フランス式歩兵隊は破ることができなかった。こうした変化は、軍事技術的には大砲や小銃の射程が伸びたことに対応する。

日露戦争における旅順要塞攻防戦として日本人にはよく知られた戦いも、完全に隠蔽されたコンクリート造りの陣地がいかに有利に戦えるかを示したもので、まともに突撃を繰り返した日本軍は大きな被害を受けた。

実は第一次世界大戦も同様で、日露戦争の旅順要塞攻防戦をさらに拡大したような陣地戦が西部戦線のあちこちで繰り広げられていて、攻める側は必ず大損害を受けた。騎兵が大砲や小銃の長射程化と元込による射撃速度の大幅な増大に勝てずに消滅していったのも、この第一次世界大戦である。目立つ色の軍服だと狙撃され、地面と似た軍服でカムフラージュするようになったもの第一次世界大戦からである(日本軍とロシア軍は日露戦争ですでにそうしていた)

一方で、初歩的な戦車とか毒ガス兵器、さらに飛行機という新しい武器が、不完全ながらも登場しており、第一次世界大戦の中ではその威力は不十分ながら、この後の発展を予想させる登場ではあった。

このように、第一次世界大戦は軍事史上もかなり重要な戦いで、特に砲兵隊の集中利用が重要という戦訓が多くの国に認識されたのだが、陸軍を派遣しなかった日本陸軍はこの戦訓を見逃し、日露戦争の時の戦訓を基にして陸軍を編成・運用したために第二次世界大戦では勝てなかった、とも言える。

このように、いろいろと考えさせられる内容であり、ヨーロッパに興味ある方はぜひ、読まれるといいと思います。


第一次世界大戦 (ちくま新書)

第一次世界大戦 (ちくま新書)

  • 作者: 木村 靖二
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2014/07/07
  • メディア: 新書



【書評】 日本語のミッシング・リンク 〜江戸と明治の連続・不連続〜 [書評]

日本語のミッシング・リンク 〜江戸と明治の連続・不連続〜
今野真二  新潮選書

高校の古文で習う源氏物語や徒然草のような昔の日本語や、公式な文書で用いられる漢文(古典中国語)は少しずつ形を換えながら江戸時代まで使われてきたが、この江戸期までの日本語と現代の日本語とは大きなギャップがある。語彙や言葉の書き方、使い方など、多くの面でかなり違ってきている。これを歴史的に遡ると、江戸時代までと大正以後の現代日本語とで大きな変化が見られる。それを明治期の急激な日本語の変化と見て詳細に論じたのが、本書である。私自身、このような疑問を持っていたので、本書はスッと頭に入れることができた。

江戸期の日本語は漢文、漢字仮名交じり文とがある。庶民が読み書きし、寺子屋で習うのは主に漢字仮名交じり文であるが、昌平黌や各藩の藩校などで教えるのは四書五経に代表される漢文の読み書きである。

明治初期になると四民平等ということで、藩校で漢文の教育を受けていない人たちが出版される読者となり、また、明治以降は藩校が順次廃止されていって文部省による学校に置き換わっていったので、正式な漢文の本が読める人がどんどん少なくなっていった。そのため、本を出版するにも漢文では多くの読者を期待できず、必然的に庶民や新時代の教育を受けた人たちでも読める漢字仮名交じり文で本を書く必要が出てきたという背景がある。

明治初期の段階では漢文で特に難しい語彙の左右両側にふりがなを振るという対応をしている。右側の振り仮名がその漢語の読み、左側の振り仮名がその漢語の意味を庶民の言葉でわかりやすく説明する役割である。しかい、そこまでして漢文に拘らず、最初から難しい漢語は日常的によく使う言葉で置き換えて漢字仮名交じり文で書けばよいとは誰しも思うことで、事実明治中期にはその方向に進んでいく。

一方で、英語などの欧米語との折り合いも明治になると必然的に必要になってくる。左から右に横書きする英語と、縦書きの日本語を、最初は横書きの英語と縦書きを横倒しにした日本語とが混じる形態でしのぐ。これは幕末期の幕府蕃書調所発行の「英吉利文典」などがそれである。それが明治初期の英和辞書にも受け継がれ、実際にはなかなか日本語も左から右の横書きに、という方向に進まなかったことがわかる。すでにその日本語に慣れた現代人としてはもどかしい感じだが、言葉が変わっていくというのは、そうしたゆっくりとした変化なのであろう。

最終的には明治末期の二葉亭四迷、森鴎外、夏目漱石らの文豪によって、漢字仮名交じり文が現代日本語と変わらないくらいに完成されていくところで本書は終わっている。

現代日本語のルーツはどこか、異なる文明(西洋文明)を取り入れるとはどういうことか、納得できる本であり、この種の問題に興味ある方にはご一読を勧める。本書からは異なる文明を取り入れていった明治期の人々の苦闘が伝わってきます。ネット文化を取り入れないといけない現代も言葉の使い方用い方としては、ひょっとして同じ苦闘の時期なのかもしれません。

強いて、難を言えば、折角「英吉利文典」など初期の英語辞書での英語と日本語を同居させる苦労を説明するのなら、その前に同じ苦労をしていた蘭学の世界、特に江戸末期の蘭学に大きな影響を与えたズーフハルマ(ハルマ蘭仏辞典を元に長崎のオランダ商館長ズーフが編集した蘭和辞典)にも触れるべきだったと思う。ちなみに、全て手書きでしか発行されていないが、ズーフハルマは蘭語が横書き、日本語は縦書き横倒しという英吉利文典と同じである。


日本語のミッシング・リンク: 江戸と明治の連続・不連続 (新潮選書)

日本語のミッシング・リンク: 江戸と明治の連続・不連続 (新潮選書)

  • 作者: 今野 真二
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/03/28
  • メディア: 単行本



AKB選抜総選挙 まとめ [大ヒットの方程式]

 6月7日に終わったAKB選抜総選挙、ヒット現象の数理モデルを使った私の研究室の予測は、2紙で紹介されました。

東京新聞 6月1日朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2014060102000156.html

読売新聞 6月7日朝刊
http://www.yomiuri.co.jp/culture/20140606-OYT1T50215.html

ほぼ同じ時期(速報値発表の数日後)に取材を受け、ほぼ同じことを答えてたものを、それぞれの記者さんがまとめた記事です。

ヒット現象の数理モデルでは「直接コミュニケーション」「間接コミュニケーション」という用語が出てきますが、ごく簡単に言うと、こんな意味です。

【直接コミュニケーション】ファンをどれだけ満足させているか。なので、有力各メンバーでは、実はあまり差は出て来ない

【間接コミュニケーション】今まで関心を持ってなかった人をどれだけ引き込めるか、という因子。つまり浮動票獲得に一番必要な数値です。


これらの記事で紹介された範囲で、ウチの予測がどうだったか、結果をまとめると
こんな感じでしょうね。

・渡辺麻友、指原莉乃が小差で激戦を予測。
 特に渡辺麻友が大きく票を伸ばして指原莉乃を抜く可能性があることをコメント。
・3位、4位に柏木由紀、松井珠理奈、島崎遥香が入る可能性を予測。
 このうち、島崎遥香だけは若干読み違えていて、順位は少し後退。
・松井玲奈・山本彩が、柏木由紀、松井珠理奈、島崎遥香の3人に次ぐくらいの順位の争いになることを予測。実際には島崎遥香が読み違いで票を落とし、その分、松井玲奈・山本彩が5位・6位となった。

それ以外に、実は、図をみてもらうとわかりますが、一昨年、昨年の圏外から25位に躍進したHKTの森保まどかの躍進を、実はヒット現象の数理モデルの計算で予測してました。私も院生の太田君も森保まどかさんをそれほど重視してなかった(ごめんなさい)ので、取材でも言わなかったんですよね。図はヒット現象の数理モデルで浮動票獲得に一番効くと思っている、「間接コミュニケーションの係数」の値です。今回票を伸ばした渡辺麻友、松井珠理奈、島崎遥香、山本彩などが大きな値になってることがわかります。指原莉乃・柏木由紀は基礎票を中心にして高得票を稼いだだけに、この間接コミュニケーションの係数は大きくないです。

特に森保まどかはすごく大きい数値で、これを素直に解釈すれば、大躍進が予測できたんですが。う〜ん、今さら書いても、後出しじゃんけんですよねぇ。

上位の人のヒット現象の数理モデルからの短評は以下です。

【渡辺麻友】 昨年と違って浮動票を大きく獲得し、指原莉乃との基礎票の差を逆転したと言えます。

【指原莉乃】 昨年同様の高得票だったのですが、間接コミュニケーションの係数はあまりよくなく、浮動票を大きく獲得して票を伸ばす状況ではなかったですね。

【柏木由紀】 間接コミュニケーションの係数は小さいので、浮動票は取り込めてませんが、元々基礎票が高く、それを地道な握手会などの努力で今回もうまくまとめて高得票に繋げたと思います。

【松井珠理奈】 間接コミュニケーションの係数は非常にいいのですが、速報値発表の日からの書込数の減少が大きく、直接コミュニケーションの係数は大きくないです。それと基礎票の少なさ。今回の4位はそうした不利を浮動票の大量獲得で補った感じです。

【松井玲奈】 同じSKEの松井珠理奈と比べると間接コミュニケーションの係数が低いですね。その分、浮動票の獲得が少なかったと思います。

【山本彩】 上位の人ほどではないですが、間接コミュニケーションの係数はある程度高いです。しかし島崎遥香には及ばない。その分を、地元関西の票をまとめて補ったのでは、と思います。

今回の選挙の後、渡辺麻友陣営は、昨年の実質敗戦を反省し、早くから私のヒット現象の数理モデルに着目し、それで昨年の敗戦を分析し、今年の選挙活動に活かしていたようです。このページは検索ですぐに出てきますから、おそらく渡辺麻友が推しメンの人の大多数が一度は見てるのでは、と思います。今回の勝因がこれだったら、うれしいんですけどね。

渡辺麻友陣営
http://www32.atwiki.jp/mayuyun/m/pages/54.html

一方、選挙後だったものの、4位の松井珠理奈陣営でもヒット現象の数理モデルに注目する動きが見られます。

松井珠理奈陣営
http://blog.livedoor.jp/tuyogaridokei/archives/39295723.html

今回の選挙を、前回以前とも併せて考えると、次の1位を目指す松井珠理奈、松井玲奈、山本彩、島崎遥香などが、まず乗り越えないといけないのが「柏木由紀の壁」だと思います。柏木由紀は3年前に3位になってからは安定して高得票を得ています。間接コミュニケーションは強くなくて、浮動票は大量には取り込めてないのですが、従来からのファンを確実に掴んでると思います。これまで、3位になって以降の柏木由紀の壁を突破してより上位に行った人は指原莉乃と渡辺麻友だけ。今回の松井珠理奈はあと一歩まで柏木由紀を追い詰めたと思いますが、届かなかったですね。さあ、次回、誰かが柏木由紀の壁を突破できるでしょうか。

Pのグラフ.png

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AKB選抜総選挙 さしこvsまゆゆ

AKB選抜総選挙、いよいよ今日が開票ですね。
昨年に続いて、今年もウチの研究室の院生の太田君が分析と
ヒット現象の数理モデルで解析をしてくれました。
その結果が、6月1日に東京新聞、今日読売新聞で報道されました。

報道記事を受けて、そこには書いてない詳しいことを
ちょっとだけ書きますね。

図に示したのは、ホットリンク社のクチコミ@係長というサービスを利用して
指原莉乃さんと渡辺麻友さんについて書かれたブログとTwitterの書込量を
時系列でグラフにしたものです。ブログとTwitter、それぞれグラフにしてます。

グラフを見てすぐにわかるように、特にブログでは指原さんが優勢です。
Twitterではそれほどの差ではないですが、昨年は渡辺さんがTwitterでは多かったので
今年は指原さんもTwitterでも負けてないと言えるでしょう。

この、特にブログの方のグラフで、指原さんの方が渡辺さんより全般的に数値が大きいのを
「基礎票」が指原さんの方が多いと、私たちは見ています。
一方、グラフではわかりにくいのですが、ヒット現象の数理モデルで解析すると
間接コミュニケーションという、噂として話題になっていく強さを現す係数が
渡辺さんは非常に高いんです。その意味で、単純に数だけから判断すると
指原さん優位ですが、ヒット現象の数理モデルで解析すると

基礎票は指原さん優位
浮動票取り込みは渡辺麻友優位

となるわけです。昨年は指原さんが大きく浮動票を取り込んで
基礎票の多い大島優子さんを上回ったのですが、
今年は逆に指原さんは固定票頼み、渡辺さんは浮動票頼みです。

昨年からの分析の経験で、特に初日の票の開票後の話題の減衰率を見ると
昨年に比べて今年の渡辺麻友は非常に好調で、大きく票を伸ばす予測です。
あとは、基礎票で上回りながら、渡辺麻友ほど浮動票を取り込めない指原莉乃が
逃げ切れるかどうか、です。
その意味で、さしことまゆゆの一騎打ちで勝負は予断を許さない、となります。

さて、最後に示す図が、2010年の前田敦子と大島優子の戦いです。ブログ書き込み数です。
この年は大逆転で最後に大島優子が僅差で前田敦子に勝ったのですが
このグラフを見ると、それがわかります。
このグラフは、初日の速報値発表の日までのグラフで開票日は入ってません。

赤の前田敦子は書込数では終始リード、つまり基礎票は大幅に前田敦子が優位です。
しかし一方、最後の伸びが、大島優子(青)はすごいですよね。
実はこのような伸びは、ヒット現象の数理モデルで解析したときに
間接コミュニケーションの係数が非常に大きい場合なのです。
従って、2010年は大島優子が浮動票を大量に獲得し、
基礎票で差のある前田敦子をからくも逆転した、と分析できます。

さて、今回の指原莉乃さんと渡辺麻友さんのブログの数値を比べてみると
2010年の前田・大島ほど極端な違いは無いことがわかります。
つまり、今の渡辺麻友の浮動票獲得の勢いは
2010年の大島優子の浮動票獲得の勢いには及ばないことになります。

ということで、浮動票獲得で渡辺麻友の大幅な伸びは期待できるものの
さて、1位かというと、断言しにくい、指原莉乃ともつれそう、というのが
私の判定です。つまり、どっちが勝ってもおかしくない。

数時間後、当たってるといいんですが。

maeda-oshima2010.jpg


指原vs渡辺2014blog.jpg

指原vs渡辺2014twitter.jpg
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